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新型コロナ感染防止策vol.10|マスクをしましょう!

緊急事態宣言中ですが、新型コロナウイルスの感染拡大が続いています

手軽にできる感染予防対策の一つにマスク着用があります

日常的にマスクの着用を求められています

マスクを着けないときに比べて吐き出す飛沫量は30%程度に抑えられます

しかしマスクの素材によって吐き出す飛沫、吸い込む飛沫量に違いがあることが分かりました

そこでマスクの効果・素材別の効果についてまとめてみました


 

マスクでできること◎できないこと✖  

新型コロナウイルスの感染症対策は基本的に「手洗い・うがい・消毒・マスク着用」です

今後別の感染症が出ても対策は大きく変わらないでしょう

 

しかし高機能なマスクを着用しても100%安全で感染しないわけではありません

 

◎マスクのできること◎

 

①咳やくしゃみなどで飛散するウイルスなどを含む飛沫を抑える

この効果が新型コロナウイルス感染防止対策として評価されました

(咳やくしゃみで飛ぶ「飛沫」というのは、5㎛以上の大きさの粒子を指します)

 

②せきやくしゃみなど飛散する、ウイルスなどを含む飛沫から防護する

咳やくしゃみなどの飛沫は平均2m程度飛散すると言われています

マスクをすることで発生源から飛沫が飛んできたとしても、着けたマスクでブロックすることができます

 

③鼻やのどの乾燥を防ぐ

ウイルスを吸い込む=感染ではありません

免疫がウイルスの増殖を抑えることができなかった場合に発症します

鼻やのどの粘膜の乾燥を防ぐことで免疫が働きやすくなり、ウイルスなどが増殖しにくくなります

ウイルスを吸い込んでしまってもマスクをすることで感染を抑えやすくなります

 

④ウイルスの付着した手で鼻や口を直接触れない

くしゃみなどで飛び出す飛沫以外にドアノブやスイッチなど人が手でよく触る場所を介してウイルスが人から人へ移動します

手にウイルスがついてもその手で鼻や口、目などの粘膜に触れてしまい発症することがあります

マスクをすることにより、鼻や口に直接触れる回数が減ります

 

⑤飛沫より小さな粒子を不織布マスクの帯電フィルターに補修できる

不織布マスクは空気中の塵や埃を捕集するため不織布からなるフィルターが使用されています

物体が電気を帯びる帯電加工がされた不織布フィルターは、静電気でマスクのフィルターを通る空気中の飛沫より小さな粒子も全てではないですが、引き寄せて捕集することができます

 

✖マスクのできないこと✖

 

①「低減」できるけど「完全に封じる」ことはできない

マスクにできないことは上記のできることを完全に抑えることができないということです

感染が成立する3要素(感染源・感染経路・ウイルスや細菌への感受性)を低減させることが出来ますが、完全に封じることはできません

マスクは感染確率を減らすものです

完全に守ることはできませんが、なるべく多くの人がマスクを着けることによって、社会全体として感染を抑える力になります

 

②マスク表面が汚染

マスク装着によってマスク表面が汚染され、これを触ることによって手にウイルスが付着し感染リスクとなることが考えられます

飛沫を浴びるなど明らかに汚染した場合にはこまめにマスクを交換、手洗い・消毒を行いましょう

 

マスクを着けると  

マスクを着用することで相手のことも自分のことも守ることができます

 

わたしがウイルスを保有したままくしゃみをしても唾液など大きな粒子である飛沫の8割は不織布マスクや布マスクのフィルターで止められます

残り2割はマスクから飛び出し1~2メートルほど周囲に飛びますが粒子の大きさがあるので重力によって下に落ちます

2m以上離れていた場合は飛沫は相手にはほとんど届きません

 

飛沫よりも小さなウイルスや細菌などを含んだ粒子は5~6割がマスクで抑えられ、残りの4~5割が周りの環境に広がっていきます

小さなウイルスや細菌を含んだ粒子を相手が吸い込むのはわたしから出た飛沫の2.5%になります

 

双方がマスクを着け距離をとれば吸い込んでしまう飛沫や小さな粒子の量は減ります

 

濃厚接触者の定義は発症した日の2日前から感染者と1m以内の距離で15分以上の接触があった場合、濃厚接触者とされます

しかしマスクの有無や会話の状況、大きな声を出していたかなどの状況によって感染リスクが異なるため最終的には保健所の判断になります

マスクの着用の有無での判断になるので、マスクの種類によって保健所の判断が変わるとは現状記載されていません


 

ユニバーサルマスクとは  

新型コロナウイルスが流行する前は、咳やくしゃみなどの症状がある人にマスクの着用が推奨されていました

コロナ禍では症状の有無に関わらず屋内や人との距離が保てない環境ではすべての人がマスクを着用するユニバーサルマスクという概念が急速に普及しました

 

日本ではインフルエンザや花粉シーズンなど無症状の人を含めてマスクを着用していたのでこのユニバーサルマスクという考え方には比較的抵抗がないのかなと思います

しかしマスクをする習慣のない国や地域ではいまだにこの考え方に抵抗がある人が多いようです

 

新型コロナウイルスの流行から1年が経ち、ユニバーサルマスクに関する根拠が集まってきました

ウイルスを排出する側、浴びる側のいずれかがマスクを装着することでウイルス量が半減するだけでなく

両方ともマスクを着けることでウイルス量を70%減らしたとのことです

これまでマスク着用に否定的だった国や地域でも支持する報告が多く出てきています


 

マスクを着けるとどのくらい感染が防げるの?  

去年スーパーコンピューター富岳のシミュレーションによりマスクによる飛沫の拡大防止効果などを計算した結果が公表されました

その結果、不織布マスクは布やウレタンのマスクよりも性能が高い反面、通気性が悪いことが分かりました

 

不織布マスクと比較し、布やウレタンのマスクは細かい飛沫の飛散が前方に多く見受けられました

不織布マスクは吐出し飛沫量を約80%カット、吸込み飛沫量は約70%カットできます

吸込み飛沫量では、不織布マスクはの場合はマスクと顔に隙間がある場合でも飛沫量を1/3ほどにできます

 

しかしウレタンマスクは吐出し飛沫量は約50%カットにとどまり、吸込み飛沫量も30~40%カットとなりました

フェイスシールド、マウスシールドに関しては大きな飛沫は拡散を防ぐ効果があったが、小さな飛沫に対しては効果がないことが分かりました

 

しかし研究チームは不織布にこだわらずにマスクをつけることが大事だと話しています

 

どんなマスクがいいの?  

マスクは大きく分けて不織布と布製があります

 

不織布は繊維同士を熱や科学的な作用などで結合させて原料の繊維を捕捉緻密にしたり、隙間を多くしたり、厚さを変え繊維同士を熱や科学的な作用などで結合させて求める機能に合ったシート状にしています

不織布マスクは性能はいいが、毎回換えないといけないですが、布やウレタンマスクは何回か洗って使うことができます

 不織布マスクでも布マスクより性能の劣る製品も市販されているのでしっかり見極めることが大事です

 

布マスクは素材選びが大事です

多層性の繊維であること、意図が細く織り目が細かいなどデザイン性や使用時の心地に加えてどのような繊維が使われているのかも参考にしてください

また耐水性もポイントになります

マスクは湿ってしまうとフィルターとしての機能が低下します

特に外側がポリエステル素材でできているマスクは外からのしぶきでマスクが湿りにくいのでおすすめです

 

顔面へのフィット感も大切です

マスク本体の機能が優れていても顔との間に隙間があるとそこからウイルスを含む飛沫が出入りしてしまうこともあります

布マスクは立体型のほうがよいと考えられます

 

ただしウイルスは目の粘膜から感染することもあるので近い距離で双方が会話する場合は、フェイスシールドやアイシールドなども合わせて使うとより安全です

 

鼻を出してマスクを着けた場合、呼吸やくしゃみは鼻からも飛沫が出来ます

そのためもし感染者が鼻を出してマスクをしていると周囲に感染させるリスクがあります

また感染力を持ったウイルス飛沫が漂っている環境で鼻で呼吸すると自分が感染する危険性もあります

マスクの着け方も大きなポイントになります

 

イベントホールでは  

新型コロナウイルスの影響でイベント開催が難しくなっていますが、多目的ホールでの飛沫拡散のシミュレーションも実施しました

この多目的ホールは換気のたm客席の下部にエアコンが取り付けられた設計になっており、仮に汚れた空気であっても、客席では数分、全体では10分で空気が入替ります

観客がマスクを着けて間をあけて座れば、小さな飛沫による感染リスクはほぼないという結果になりました

 

客席で強い咳をした場合は小さな飛沫は周りに漂うものの拡散は抑えられることが分かりました

舞台上の出演者が咳をした場合は、小さな飛沫が2~3m飛散し、エアコンの風で拡散します

そのため観客席とは一定の距離を取って座ることが望ましいと考えられます

 

場面によって使い分けよう  

これまでインフルエンザなどの呼吸器感染症は発症した後から周囲に感染させることが常識だったので感染者が周りに広げないようにするために症状のある人がマスクを着けることで十分と考えられてきました

しかし新型コロナウイルスは発症する前の無症状のときから人にうつしていることが明らかになっています

また発症前にも感染性が強いことが特徴です

 

人と同じ空間にいるときは、自分はウイルスを持っているかもしれないと思って正しくマスクを着用しましょう

マスクを選ぶときは自分がこれから過ごす場所の感染リスクに合わせて選んでください

換気がしっかりされていて個人の空間がパーテーションなどで区切られている場所では楽な布やウレタンマスクを着けるなど状況に応じてマスクを選んでいただければと思います